一般貨物自動車運送業の許可申請における最大の関門とも言われる「役員法令試験」

法令試験は合格率8割(30問中24問以上の正解)が求められる厳しい試験ですが、正しく対策を立てれば決して恐れる必要はありません。この試験は、どこに答えがあるのか探し出すことを求められる試験です。

今回は、一般貨物自動車運送業許可の法令試験を一発合格するための「実践的なコツ」と「時間配分」について分かりやすく解説します。

1. 法令試験の基本概要と「1問1分40秒」

試験のルールと時間配分を正しく把握しておきましょう。

  • 出題数: 全30問(〇×形式、選択形式)
  • 試験時間: 50分
  • 合格基準: 24問以上(80%以上)の正答
  • 持ち込み: 当日会場で配布される法令集(裏表で375ページ)のみ(書き込み不可、試験後回収)

1問にあてられる時間は「1分40秒」

50分で30問を解くため、1問あたりの平均時間は「1分40秒」しかありません。

当日配られる法令集を1問ごとに最初からめくって調べていては、あっという間に時間が足りなくなってしまいます。

2. 合格を引き寄せる実践的コツ

①解答は法律等のカテゴリごとに処理する

試験は、法律等がランダムに並んでおり、普通に解答しようとすると、条文集を行ったり来たりしなければなりません。時間的に厳しい試験では、かなり時間をロスしますので、例えば貨物自動車運送事業法だけを回答、次は貨物自動車運送事業法施行規則を回答のように、カテゴリごとに解答すると時間のロスがなくなります。

②法令の特徴を押さえる

例えば、ほとんどの法律は、1条目的、2条定義となっています。この試験では、定義は頻出ですので、定義問題がでたら、法令の最初を探しましょう。(労基法は例外で定義は9条から)

法律の構成は、法律→施行令→施行規則の順番に構成されています。
貨物自動車運送事業法に例えると
「貨物自動車運送事業法」→「貨物自動車運送事業法施行令(政令)」→「貨物自動車運送事業法施行規則(省令)」の構成になっています。

令和7年11月26日の問題24
【貨物自動車運送事業法、貨物自動車運送事業法施行規則】(運送利用管理規定の作成等、運送利用管理規定を定める一般貨物自動車運送事業者の行う貨物自動車利用運送の規模)

この問題をみていくと貨物自動車運送事業法には
(運送利用管理規程の作成等)
第二十四条の二 貨物自動車利用運送を行う一般貨物自動車運送事業者(その行う貨物自動車利用運送の規模が国土交通省令で定める規模以上であるものに限る。以下「特別一般貨物自動車運送事業者」という。)は、….以下省略
貨物自動車運送事業法施行規則(省令)には
(運送利用管理規程を定める一般貨物自動車運送事業者の行う貨物自動車利用運送の規模)
第十三条の十 法第二十四条の二第一項の国土交通省令で定める規模は、前年度(四月一日から翌年三月三十一日までの期間(次条において「年度」という。)であって、直前のものをいう。)に行った貨物自動車利用運送に係る貨物取扱量の合計量が百万トンであることとする。

といった合わせ技出ててくることもあるので注意が必要です。
引用:e-GOVポータルサイト

③各法令の特徴を押さえる

【貨物自動車運送事業法】
第1章総則(目的、定義)第2章が一般貨物自動車運送事業なのでここが頻出

【貨物自動車運送事業法施行規則】
一般貨物自動車運送事業は第2章なので第2章からの問題が頻出

【貨物自動車運送事業輸送安全規則】
この規則も第2章が貨物自動車運送事業なので第2章が頻出

【貨物自動車運送事業報告規則】
全部で4条しかないので探すのは容易、事前に目をとおして場所を確認

【自動車事故報告規則】
全部で5条しかないので探すのは容易、事前に目をとおして場所を確認

【道路運送法】
第1条目的、第2条定義、このあたりは出やすい、あとは雑則からの出題

【道路運送車両法】
第1条目的、第2条定義、このあたりは出やすい、ボリュームがあるのでその他の問題がでたら目次から該当するものを探す。

【労働基準法】
第9条~定義は頻出、出題はバラバラなので絞りにくい、目次から( )の内容を推測して探す。

【自動車運転者の労働時間等の改善のための基準】
全部で6条しかないので探すのは容易、事前に目をとおせばよい。

【労働安全衛生法】
第3条の「事業者の責務」、第67条「健康診断」が頻出

【私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律】
法令集に( )の見出しがなく、出題は分散傾向のため、問題文から目次を推定し条文を探す。

3. まとめ:準備次第で法令試験は怖くない!

一般貨物自動車運送業の役員法令試験は、一見するとハードルが高く感じられますが、「法令集の検索スピードを上げること」と「過去問の反復演習」を行えば十分に対策可能です。

万が一、1回目で不合格になってしまった場合でも再受験の機会はありますが、許可取得までのスケジュールが大きく遅れてしまいます。

しっかりと事前準備を整え、一発合格を目指しましょう!

当事務所では、一般貨物自動車運送業の許可申請手続きはもちろん、法令試験に向けたアドバイスや準備のサポートも行っております。

運送業の開業・許可取得でお悩みの方はお気軽にご相談ください。