「急いでいるのに申請が間に合わない」─災害時のドローン運航に不安を感じていませんか?この記事では、緊急時に適用できる特例制度の条件・使い方・注意点を行政書士が解説します。

この記事は概要解説です
特例の適用判断は個別状況によって異なります。実際の運航前に、専門の行政書士または国土交通省へご確認ください。

1. なぜこの特例があるのか

通常、ドローンの飛行には国土交通省への許可・承認が必要です。しかし災害や事故の現場では、申請手続きに数日かかっていては人命に関わります。

そこで設けられたのが航空法第132条の92

緊急性の高い捜索・救助活動では、飛行禁止空域や飛行方法の制限を一時的に解除し、迅速な対応を可能にする制度です。

2. 特例が使える「2つの主体」

この特例は誰でも使えるわけではありません。航空法施行規則第236条の88により、以下の2主体に限定されています。

  • 国または地方公共団体
  • 国や地方公共団体の依頼により捜索や救助を行う者

民間のドローン事業者が「自主的に」行動する場合には適用されません。必ず自治体等との連携・依頼関係が必要です。

3. 「捜索・救助」の具体的な範囲

施行規則第236条の89では、対象となる活動を次のように定めています。

人命・財産に差し迫った危険があり、かつ即時対応が必要な状況が前提です。

  • 孤立した被災地への医薬品・食料・飲料水の輸送
  • 被害状況の空撮・調査・点検
  • 避難後の地域での防犯パトロール飛行
  • 行方不明者の捜索
  • 財産の損傷を防ぐための緊急調査

4. 緊急性の要件(ここが最重要)

特例が適用されるには、次の2条件を同時に満たす必要があります。

  • 許可・承認を申請する時間的余裕がないこと
  • 直ちに飛行しなければ人命・財産に重大な損害が生じるおそれがあること

「急いでいるから」だけでは不十分です。緊急性の客観的な根拠が求められます。事後に記録として残しておくことを強くお勧めします。

5. 特例使用時に絶対守るべき安全ルール

特例が適用されても、安全管理義務は免除されません。国土交通省の運用ガイドライン(国空航第687号・国空機第926号)に従い、以下を徹底してください。

  • 航空機との衝突回避のための目視または通信確保
  • 地上・水上の人や物件への安全確保措置
  • 飛行記録(ログ)の保存と事後報告の準備

「緊急だったから安全確認を省いた」は通用しません。有事だからこそ、安全手順の事前準備が重要です。

まとめ

  • 人命救助や災害対応において、時間との戦いになる局面では、規制を一時的に解除してでも対応が求められます。
  • ただし、「緊急性があり、公共性が高い行為」であることが前提。
  • そして、特例が認められても、安全確保は必須です。

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